音楽科授業におけるICT活用の意義と効果的な実践
「小中高をつなぐ音楽科ICT講座」

生成AIによる作曲

■AI作曲Webアプリ(その1) 「CREEVO(クリーボ)」

https://creevo-music.com/

CREEVO(クリーボ)

歌詞を入力するだけで曲をつくり、合成音声による音源や楽譜、プロモーションビデオなどを即座に出力できる
京都大学白眉センター助教、中村栄太氏(現九州大学准教授)らによって開発が進められている非営利プロジェクト
作曲例も掲載

・おまかせ作曲モード

歌詞を入力するだけで、全自動で歌を作曲してくれる

・デザイン作曲モード

コード進行、アーティストの作風、速度、調性、伴奏リズムパターンなどを自由に選択できる

埼玉県戸田市立戸田東小学校教諭 小梨貴弘先生の実践

小梨先生研究授業概要PDF

現代風アレンジによる「われは海の子」(おまかせ作曲モード)

AI作曲ツールは、演奏の技能を伴わずとも作曲を手軽に楽しむための一手段として有効であり、児童はその利便性を理解している。
CREEVOのようにシンプルなUIのAIツールは、小学生でも十分取り扱えるが、 授業で学びを生み出すためには使用目的の明確化と扱い方の工夫が必要。

できた作品の創作主体は曖昧であり、音楽的な出来映えによって創作の技能を評価するのは困難。「思いや意図」を作品に反映させていく過程の中で「思考力、判断力、表現力」や「主体的に学びに向かう力」のみを評価の対象にすべきか。

「実感がある」と思った理由

自分が選んだものを、AIが実現させていくという面で考えれば、土台を人が作り、AIが土台に乗せていくということになるから、
結局は、自分が作ったことになるから

「実感がない」と思った理由

自分たちで歌詞やテンポや楽器などを選んだり決めたりしたけど、結局はそれをもとにCREEVOがつくった曲だから
AIにつくってもらうと、自分でつくった気になれなくて、自分たちで歌詞からテンポとかまで全部つくったほうが、つくったぞ!っていう達成感が感じられるから

その他にも、理化学研究所知能登校研究センターの協力による三重県桑名市・多度小学校の実践 「校歌を考える」

■AI作曲Webアプリ(その2)  「Suno スノー」

Suno スノー

想像できるどんな曲でも作れる
簡単なプロンプトから始めるか、プロ仕様の編集ツールを活用すれば、次のトラックがすぐそこにある

無料のAI音楽ジェネレーター
誰もが音楽を作れるようになると、どんな可能性が生まれるのか、その可能性を探ってみる

現代のソングメーカーを体験
編集、リミックス、思いのままに。オーディオをアップロードまたは録音し、歌詞を書き直したり、セクションを並べ替えたり、パワフルなクリエイティブツールでサウンドを自由にアレンジできる

大東文化大学の学生の作品(2025年度前期「小学校音楽科教育法」の課題、日頃から音楽好きな雰囲気のある学生を3名チョイス)

ユーザーとして楽しむのには十分。作曲家にも脅威を与えるだろう。ただし、学校音楽教育、特に小学校での可能性ははっきり言って不透明。