音楽科授業におけるICT活用の意義と効果的な実践
「小中高をつなぐ音楽科ICT講座」
小学校1年生、2年生の教科書を調査
小学校1年生、2年生の教科書に掲載されている二次元コードの表
30の二次元コードのうち、
旋律の提示26(MIDIピアノ音源)
打楽器奏者による動画コンテンツと鑑賞のコンテンツが新たに加わる。
旧学習者用デジタルコンテンツを引き継ぐと聞いていたが、実際は「ことばでリズム」のコンテンツのみ。つまり、デジタルコンテンツをあまり継承していない。リズムの学習を中心に置くべき小学校低学年であるかかわらず、リズムの学習が曲の再生のみに変わってしまった。

32の二次元コードのうち、
旋律の提示29
新たなコンテンツとして、音符や休符の書き方に関する動画
表のうち、2−6「ドレミのふうせん」、2−9の旋律づくり、2−11、12、13のバッテリーリズム、2−15の「おまつりの音楽」の音楽づくり、2−17の「楽器でおはなし」の音楽づくり、2−18の『かぼちゃ』の打楽器の音の重ね順の組み合わせの例が、デジタルコンテンツ(令和2年度版)の内容を踏襲している。
2−6、9、11、12、13、15、18に関しては、若干のレイアウトの変更はあるものの、内容や動作もほぼ同じである。2−17の「楽器でおはなし」の音楽づくりに関しては、新たに自分でリズムパターンをつくる活動が追加され、学習内容として改良されている。
このように、2年生に関しては学習者用デジタルコンテンツ(令和2年度版)の内容がかなり受け継がれている。
教育芸術社のホームページには、二次元コードから広がる学び〜として、以下の3点が示されている。
つまり、二次元コードは、文部科学省が推進するICT教育や教育DXの一環として導入され、児童生徒一人一台タブレット端末を前提としている。
小学校1、2年の音楽教科書における二次元コードは、児童の主体的な学びや家庭学習支援、教師の指導補助といった大きな可能性を秘めている。二次元コードの内容が充実すれば、学校の音楽の授業以外でも音楽を学ぶことができ、子どもの意欲を喚起したり、苦手な児童をサポートすることができるだろう。
しかし、現状では、MIDIピアノ音源がほとんどであること、動画コンテンツの解説が不足していること、操作性やコンテンツの内容そのものの課題など、多くの改善点が指摘された。