活動コレクション

2008年度 京都大和の家 ピアノレッスンボランティア

 プロの音楽教室講師やピアノ教師でも音楽専攻の学生でもない、児童学科の学生がボランティアで児童養護施設の子どもたちにピアノを教えるという試みをしました。このピアノレッスンボランティアは習い事をする機会の少ない子どもたちの願いを叶える機会となりました。

概要

京都大和の家の外観 京都大和の家のエントランスホール
事前アンケート プロフィール

△ ぞれぞれの画像をクリックすると、拡大画像を見ることができます △

発表会のようす

ピアノ発表会

曲目

  1. かえるのうた
  2. 思い出のアルバム
  3. バッハのメヌエット
  4. 公園通り
  5. Best Friend(うた)
  6. Together
  7. Triangle
  8. Love so sweet/崖の上のポニョ(連弾)
  9. YUME 日和(連弾)
  10. キセキ
  11. おもちゃのチャチャチャ
  12. ねこふんじゃった/世界に1つだけの花
  13. トルコ行進曲
  14. カントリーロード(弾き歌い)
  15. Dream Come True/プラネタリウム(うた)
だいわホール 発表会のポスター 発表会のプログラム

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レッスンの効果

ピアノレッスンボランティアをするための必須条件

1. 楽譜が読めて、ピアノが弾ける

 レッスンで使用する楽譜はレッスンボランティアが事前に用意したものばかりではありません。子どもたちが自分の所有している楽譜を急に持って来ることもあり、ある程度初見で弾く力が必要です。楽譜に書かれた強弱記号や速度記号などの意味や弾き方を子どもに伝え、上手に弾けるように指導し、子どもにピアノを弾くことが楽しいと思ってもらえるように努力することも大切です。

2. 編曲力がある

 子どもが弾きたい曲の楽譜を探すとき、何種類もの楽譜を揃え、その中からそれぞれの子どもの演奏能力に合った楽譜を探すことは困難であるため、一種類の楽譜を見て演奏能力に合うように伴奏の形を変えたり、転調したりして弾きやすいように編曲する必要があります。また、子どもが弾く主旋律に合わせて即興で伴奏をつけることができるとよいでしょう。

3. 子どもと関わることが好きである

 レッスンは対象の子どもと1対1で行います。子どもと信頼関係を築き、毎回レッスンを楽しみにできるために、レッスン以外でもコミュニケーションをとることは必要です。教える側が子どもたちとのコミュニケーションを心から楽しめると、それが子どもにも伝わり、良い関係を築けるようになります。また、教える側も子どもとの関わりがうまくいくと、弾きたい曲の楽譜を探すことやレッスンを行うこと自体がさらに楽しくなり、より良いレッスンが行えるようになります。

4. 定期的に通うことができる

 特別な理由や施設の行事と重ならない限り、毎回決められた曜日・決められた時間にレッスンを行います。最初にレッスンの期間を決め、その期間中は途中で投げ出すことなく責任をもってレッスンを行うことも大切です。

5. 子どものプライバシーを守る

 児童養護施設で生活している子どもは、さまざまな家庭事情や生活環境による問題を抱えている場合が多くあります。年齢が小さい子どもほど何気なくそれらを口にすることがありますが、決して口外したり子どもを傷つけるような発言をしたりしてはいけません。職員から子どもの事情を聞いた場合も同様です。

レッスンの進め方

1. レッスンを楽しむ

 教える側がピアノを弾くこと、子どもと関わること、レッスンを行うことを楽しめれば、子どもたちもピアノを弾くことが楽しくなり、ピアノが好きになります。もし子どもとの関わり方やレッスンの進め方で困ったことがあれば、施設の職員や指導教官に相談したり、一緒に活動をしている人がいればその人に悩みを打ち明けると、考えを変えることができたり、気分が楽になるでしょう。

2. レッスンでは子どもの好きな曲や弾きたい曲を取り上げる

 ピアノレッスンボランティアは、子どもにピアノを弾くことの楽しさを伝えることを目的としています。そのため、子どものピアノ演奏技術の向上が不可避であるプロのピアノ教師よりも、飽きずに楽しんでピアノレッスンを受け続けられることを最優先にして、子どもの好きな曲や弾きたい曲をレッスンで取り上げます。発表会後のアンケートでも、全員が「レッスンを受けてよかった」と回答していて、その理由に「好きな曲を弾けたから」と書いた子どもたちが多数いました。

3. 楽譜を探す

 ボランティアが所有する楽譜と大学研究室にある楽譜、さらには「ぷりんと楽譜」などを使用しました。

注)「ぷりんと楽譜」〜1曲ずつ楽譜を購入できるサイト。楽譜のサンプルを見ることができるため、難易度がそれぞれの子どもの音楽力に合っているか確認することができる。

4. レッスンノートをつくる

 レッスンボランティアはレッスンごとに記録をとり、指導教官に報告します。指導教官は、次のレッスンに向けて、楽曲、指導方法などについて方向性を示唆し、ボランティアの疑問点を解決します。

5. 発表会を行う

 発表会の実施により、さらに意欲的に練習に取り組むようになり、ピアノを弾くことを楽しんだ上で技術の向上も見られるようになりました。本番前は人前で演奏することを不安に思う子どもも多くいましたが、終わってみると全員が満足そうな表情を浮かべていて、人前で演奏したり、他人の演奏を聴いたりする楽しさを実感できたようでした。職員を対象としたアンケートでも、発表会に対してはすべてが肯定的な意見でした。


お問い合わせはfukami@kyoto-wu.ac.jpまでメールでお願いいたします。

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