あいうえおんがくたいあいうえおんがくたい

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京都女子大学 発達教育学部 児童学科 深見友紀子ゼミ

私たちの軌跡~音楽隊の成長記録~

私たちは、深見ゼミで結成された音楽隊「あいうえおんがくたい」だけでなく、ゼミを問わず児童学科で結成された音楽隊「ぽっぷんめろでぃー」にも所属していました。

最初は、「子どもたちに人気のある曲を選ぼう!」ということを中心に演奏会の構成を考えていました。しかし、2つの音楽隊での数々の公演を経験していく中で、子どもたちの反応を見たり、周りの方からの意見をもらったりしながら、それだけでは子どもたちは満足してくれないということに気付きました。

では、子どもたちがより楽しんでくれる公演のプログラムとはどんなものなのか...?

私たちはそこに興味を持ち、考えてみることにしました。

今回の研究材料は、以下の3公演です。

・2015年2月3日 節分コンサート(あいうえおんがくたい)

・2015年8月3日 人形劇フェスティバル音楽コンサート(あいうえおんがくたい)

・2015年9月12日 卒業公演(ぽっぷんめろでぃー)

節分コンサート終了後、外部の先生や児童学科の学生からたくさんの意見をもらい、自分たちでも反省会をしました。その結果、良かった点、改善点が何点か見つかりました。

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〇良かった点

音楽隊公演の目的は、子どもたちが普段あまり関わることのない楽器に興味をもったり、音楽を通して楽しく活動できたりすることなので、②や③が高評価だったことは嬉しく思いました。

また、①について私たちの音楽隊のサウンド作りは、電子を交えた珍しいものになっています。他の研究で具体的に取り上げているので、そちらもぜひ見てください。

〇悪かった点

節分コンサートまでは、演奏の質を上げることに専念しすぎており、上記のような点はあまり意識できていなかったことに気付きました。

これらを参考にして、その後の人形劇フェスティバル音楽コンサートや、ぽっぷんめろでぃー卒業公演での改善を考えました。

その改善前と改善後を動画で比較し、反省点をまとめました。

〇改善点

①目線をあげて楽しそうに演奏した方が良い!


http://www.youtube.com/watch?v=ufgrJTRhig8

beforeでは、演奏することに必死で、子どもたちと目線を合わせたり、体を動かして楽しく演奏したりすることができていません。

afterでは、演奏にも慣れて目線を上げる余裕もあり、また、音楽に合わせて体を動かすことで、演奏者自身も楽しそうに演奏することができています。

やはり、目線が下がってしまうととても暗い印象になってしまいます。
少し目線を上げ、子どもたちをみることで、ずいぶんと明るい印象になりますね。

音楽に合わせて動く私たちを見て、子どもたちも同じように体を動かしながら演奏を聴き、視覚的にも楽しんでいる姿が見られました。

②楽器が見えにくい!


http://www.youtube.com/watch?v=bYwQoZZtfvE

これは、「小さな世界」の一部分です。いくつかの楽器にグループ分けしてディズニーの曲を演奏しました。各楽器が目立つような楽器紹介になっています。

また、この公演は一日に2回行ったので、1回目終了後に反省し、2回目に向けて改善を考えました。

beforeでは、せっかくの楽器紹介なのに、後ろにいるフルート・トランペット・トロンボーン・ホルンの管楽器があまり目立たなくなってしまっています。

afterでは、管楽器が前に出たことによって、楽器が見やすくなっています!
また、演奏している人以外は座ることで、より各楽器が目立つようになりましたよね!

子どもたちの中には、音楽に合わせて体を動かすだけでなく、ハンドソニックや電子ドラムなど、さまざまな楽器の演奏の様子を真似して楽しんでいる子どももいました。

音楽隊公演は、たくさんの楽器を近くで見ることが出来る絶好の機会なので、間近で見ることが出来るよう、配置を考えることも大切なことです。

③明確な司会進行役が必要!


http://www.youtube.com/watch?v=iOqSesb5dnM

beforeでは、子どもたちが盛り上がり過ぎてしまい、収拾がつかなくなってしまっています。司会の声も子どもたちに届かず、落ち着かないまま次の曲が始まってしまいました。

afterでは、司会進行役が明確です。子どもたちも司会の声を聞こうとしています。また、活動の前に安全に配慮する声かけがありました。

beforeでの反省点は、子どもの反応について予測できていなかったことです。「ようかい体操第一」は、当時子どもたちの間で非常に人気があり、子どもたちが盛り上がることは予測できたはずでした。
子どもの反応を考慮した曲紹介の仕方を考えるべきでした。
また、「踊ってもいいよ」「立ってもいいよ」という曖昧な声かけになってしまったので、曲が始まってからも座っている子どももいれば立って踊っている子どももいる状況になり、安全への配慮が欠けていました。

子どもたちが落ち着いて安全に活動するためには、具体的な活動を提示するような司会の声かけをしっかり考えておくべきでした。

afterのように、子どもとかかわれる役が一人いることで、子どもとのやりとりや司会進行がスムーズになり、悪かった点として他に挙げられていた“メリハリのある司会進行”“子どもの声を拾いコミュニケーションをとる”といった点においても、改善にもつながると思いました。

〇その他の工夫点

音楽隊の公演をより楽しんでもらうためには、演奏することに集中しすぎるのではなく、どのように演奏したら見ていて楽しいのか、”見られ方にも目をむける”ことが大切だと感じました。

外部の先生や学生から、「スクリーンを活用してみたら?」「客席も巻き込める演出を」などの提案も多くいただきました。 それをふまえ、視覚的にも演奏に惹きつけられるその他の工夫を考えました。大きく分けると以下の2つです。

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①スクリーン編

・楽器紹介
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▲ハンドソニックの紹介です。
楽器の名前、写真、特徴を紹介しています。 
・絵
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▲「ALADDIN」の一部分です。
メドレー曲なので最後まで楽しめるようにしました。
・歌詞
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▼「夢をかなえてドラえもん」です。  左のようなスライドを前に映し出すことで  歌をより楽しんで歌うことが出来ます!

http://www.youtube.com/watch?v=zJBN48wEAtM

②演出編

・リボンなどのアイテム

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▲「名探偵コナンメインテーマ」です。見た目も華やかになりました。

・客席からの登場


▲「ミッキーマウスマーチ」です。期待感が高まります! http://www.youtube.com/watch?v=PQeWwiTQeqo

以上のように子どもたちが楽しめる演奏会の工夫として、私たちは様々な取り組みをしてきました。

これらを参考にして今後活動していく後輩たちが、より楽しめる音楽隊公演ができるよう、改善を重ねていってほしいと思います。

この活動と研究を活かし、これから保育者になるにあたって、音楽の楽しさを忘れず、音楽の楽しさを伝えられるようなはたらきかけを考え、子どもたちとかかわっていきたいです。